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【那覇校】「我思う、故に我あり」

 2輪が楽しいのは一人でいられることもあるけど、雨、風、日差しや寒さといった気候の変化を肌で感じられることと、物理的な現象であるピッチングロールヨー・・・転倒といった痛〜い体験も可能だ、それも他人に迷惑をかけない範囲で(・・・思い込みでした)。

 28歳から現在まで免許の色は金色だけれど去年の年初、今年度末と警察に2度の納税をしたので次回からは青。更新時講習が30分から2時間になるのは20数年ぶりなので楽しみだな〜^^;

 モノレールだと発進時には進行方向とは逆に体を持ってかれ、停車時には進行方向へと投げだされる。これを抑えるために力んだり、一歩踏み出したり、手を伸ばすなど、身体に受けた物理的な作用に反する行動が起きる。速度の変化で起きる前後への揺さぶりがピッチング

 バスが右折や左折するたびに、大きく左右に揺さぶられ、満員だと逃げ場なく押しつぶされ、誰かのカバンの角が当たって痛い思いをする。この進行方向に対する左右の揺れがローリング、短くしてロールともいう。

 遊園地でコーヒーカップとかいう乗り物に乗った経験はあるだろうか(古い?)、平面上にカップ状のゴンドラがたくさん置かれ、それぞれに向かい合わせの席と中央にリング状のハンドルがついた乗り物で、平面上を一定方向に回りながら、個々にもクルクル回る、ハンドルを回しすぎて意中の子とまったりとするはずが逆に遠ざかるなんて・・・。この進行方向に対して個々のゴンドラの前後がクルクルと水平面を回る運動をヨーイング。短くしてヨー

 この3つの運動方向は、内耳の三半規管や関節内受容器、筋紡錘などからの信号が、脊髄小脳路を通り、姿勢制御へと介在する形で認識される・・・体を逆に持ってかれる、投げ出される、踏ん張る、手を伸ばす・・・などの身体運動として反応する。

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 このピッチングロール(ローリング)、ヨー(ヨーイング)は一方向に進む物体が、運動の向きや速度を変化させた際に受ける力の観察点であり、この3つの観察点から得られたそれぞれの力の合力は、物体が持つ質量中心つまり、重心の運動方向を示すことになるので、車でもバスでも飛行機でも、操作を加えるものは速度と方向の変化量を調整することで、上記の3方向の力の合力の変化量を管理できるということになる。これが自家用車や航空機、船舶など利用する客が感じる乗り心地というものである。

 現在はこの変化量を電子制御で管理できるから、乗り心地、または多少の運転ミスはリカバリーしてくれる。バイクだと後輪が駆動かけた際に滑り、ヨーが発生するとドキッとしたり、前輪がブレーキングで滑ってピッチングを吸収できないと即転倒へと繋がる内容でも、電子機器の進化で難を得ずに済む、何度もお世話になっている。バイクだけでなく、航空機、船舶などでも使用されている。pasted-image.tiff

 対して運動軸とは、文字通り物体の運動軸となるものである。つまり物体の複雑な形状を直線という形に単純化して考える方法です。加わった力に対して物体が動く際の回転軸として観察する。この線は物体の質量中心である重心と、駆動輪と地面の接点を繋いだものを考える。運動軸の位置の変化や傾きで、ピッチングが与える影響や、ロールした際の影響、ヨーで受ける影響を考察し、元の形状と比較しながら、物体の全体的な位置の変化や傾きによる影響を予測する。 
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 4輪車だとエンジンから駆動輪と地面の設置点(両輪の中点)を繋いだ線となる。4輪ある中の駆動2輪の接地点間の中心は、実は摩擦係数によって左右差がつくられる。このように運動軸自体も動いてしまうから、ハンドリングに変化が出る。この変化を感じてハンドリングした経験はあるだろうか?この左右差を作るのがトルクモーメント(単にトルクともいう)と呼ばれる力で、タイヤに加わる重量とその接地面との摩擦係数で変化する。

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 面に力が働く場所には、このトルクモーメントが現れる。これをうまく使っているスポーツがスケボーであり、スノボーである。

 2輪だと単純になる、エンジンと後輪の接地点を繋げば運動軸となり、左右差は後輪の接地面が小さいので、自動車のように左右差が大きく影響することはない。だからピッチングもアクセルのオンオフで簡単に出るし、ロールもステップへ体重をかけるだけでも出させる。後輪タイヤのヨーは電子制御のおかげで大きく出ることはないが、道路の状態によっては、摩擦係数が得られない場合に出たりする。

 4輪でも雨降り時の坂道発進で駆動輪がスリップを起こすのと同じである。バイクは左右方向への踏ん張りがないため、軽いスリップでも左右へ大きく揺れる。慣れてくると楽しいが、私は遊べるほどスムーズな動力伝達制御(アクセルワーク)ができないので、電子制御の恩恵に預かる次第だ。

 長々と書いたけれど、トルクモーメントは円運動を起こす力として出現し、進行方向であればピッチング、左右方向へ出るローリング、前後を水平面で回転させる力をヨーイングという。こういう現象を利用して遊園地の乗り物は設計されている。遊園地では、アクセントになる感覚は落下、これはジェットコースターが花形である。最近はフリーホールのように鉛直方向の自由落下を体験できるものもある。

 こういった現象は、身体の三半規管や関節内受容器、筋紡錘などの受容器を通して入力された信号が、神経経路である脊髄小脳路を通して小脳へ伝わる。小脳で受けた分の変化量(偏位量)が計算され、その結果が大脳基底核へ出力され、姿勢制御へ介入されるといった一連の流れがあるという仮説である。

 したがって、身体に姿勢の維持を妨げるほどのトルクモーメントが作用すると、体が勝手に反応する。文字通り思考よりも先に手が伸びたり、一歩足を出るなど反応するはずである。しかも無意識に・・・。予測的な場面でも、やはり思考よりも早く反応する。

 その場にとどまる中での運動はトルクモーメントのように円運動になるが、その場にとどまれず受けた力の方向に流されていく場合では(例えば川面に浮かぶ落ち葉のように・・・)、物体が鉛直方向に上下動を行う現象をヒーヴという。ヒーヴ(heave)は「盛り上がり」と訳されてる。横流れはスウェー。スウェー(sway)は「揺さぶり」。前後方向ではサージ、サージ(surge)は日本語では「うねり」と訳されている。

 こういった動きは物体本体が動いているというよりも、反力を受けづらい中での現象と考える。つまり踏みとどまれない状態で起こる。

 船舶では、海という常に変動する面の上にあり、同じ位置に留まることができないから、道路や大地のような固い地面にある物体とは違って、常に上に下に、前に後ろに、右に左にと力(外力)を継続して受けている状態である。その中で船舶自体の重心の周りでピッチングやヨー、ロールも起きている。航空機も同様に大気の流れに影響される。

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 stand up pedaling(SUP)などで体験できる。 

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 こんな風に身の回りで、物理現象を実体験できる方法はいくらでもありそうだね。

 ここまでに記した運動は、振り子のように繰り返し起こる運動である。その大きさは異なっても、ある物体の進行方向に対して、物体に繰り返し働く反力である。

 では物体が一方向に進み続ける運動はなんというのだろうか?

 「並進運動」という。

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物体がその場で向きを変える運動は、

「回転運動」という。

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「回転運動」がここまで書いてきた3つのトルクモーメントのことである。

そして、新たに追加する一方向に移動し続けることを「並進運動」という。

これを人体に例えると、巨視的には、歩く、または走っている状態は「並進運動」となり、

その状態にある身体内で、各関節でトルクモーメントである「回転運動」が働いている。もちろん地面からの反力を利用している。

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細部を見ていけば、

四肢や頭部、体幹などでピッチングやヨー、ロールが起こっておりこれらが、反力からなのか、身体側からの作用なのかによって加減速(サージ)や、方向を変える際の回転運動(ヨーまたはロール)などで床半力の量や各関節で起こる回転運動への関わり方から、部位ごとの選択された筋の出力が随意的な筋収縮なのか、身体を固定する張力なのかを仮説的に予測することができる。

簡単に言えば、硬くして支持したいのか、柔らかくして弾性力を利用したいのかと単純化したりして仮説を構成したりする。

 ここまできて、硬くしてとか、柔らかくして操作していることを書いた。物体では、つまり車やバイクなどは鉄の塊だから硬いよね、でも地面と接しているタイヤと物体を繋ぐ間にはサスペンションという緩衝機構がついている。この緩衝機構はタイヤに加わる地面からの反力を受け流す役割と、もう一つは、車側からの荷重を調整する役割がある。つまり柔らかさが管理できる機構である。

 どうやって管理できるの?

 電子制御方式のサスペンションは高級車でも付いていたりなかったりと、いまだに装備品として一般的ではないのは、価格が高い証拠でもあり、かといって全ての条件を満たしているわけでもないが、通常の利用・・・舗装路を走っている限りは問題がないからなのだろう。

 サスペンションは伸び縮みをする緩衝装置である。これは並進運動の加減速で、ピッチングを起こし、荷重をかけたり抜いたりできる。ハンドル操作をするのであれば、前輪にしっかり荷重を乗せたほうがいいので、ピッチングを利用するにはアクセルを抜いて減速へ転じれば、前輪側へピッチングが緩やかに起こり荷重がゆっくりと増加しやすくなる。ピッチングが最大に近づいたところでハンドル操作をすれば確実な摩擦力を発揮するはずである。操舵が終了したところでアクセルを加えればピッチングによる駆動輪側へ荷重移動が起こり摩擦力を得やすくなる。アクセルによる加減では緩やかなピッチングが可能であり、早い移動が必要であれば制動操作(ブレーキング)を利用するなど、車やバイクの姿勢制御でよく使われる。

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 自転車ではどうだろうか?

 最近は高級な自転車にもサスペンションが付いてきている。ただ、サスペンションによる緩衝作用は、人力によるペダリングでは緩衝器を短縮させる方向に作用するので、出力が減速されるという結果を招くので、後輪にサスペンションが付いているものは少ないか、硬めの設定になっているものが多い。脚力があるライダーが乗る競技用でもロードの場合は少ない、グラベルなどの不整地では地面からの反力を身体側だけでいなせられないので多くの採用があるが、ロック機構が付いているなど、やはり人力によるペダリングでは、体力消耗を考慮した内容に依存されるのであろう。

 人の関節構造で緩衝作用に近い構造物は、膝関節にある半月板であろうか?厚みも含めて人体内で最大である。

 高校生時代に、世界的に2足歩行への開発をあきらめたという報道があり、それをネタに夜中まで話したことがあり、動的平衡を、時計の振り子で示しながら、アルファベットの「A」型の頂点からぶら下げ、横棒のあたり錘をふって、ローリングの制御を行いながら、浮いた側を振り出す。つまり軸足側でヨーを起こすことを、交互に繰り返せば2速歩行になるとまで仮説構築した記憶がある。30年以上も前なので細かくは覚えていないあが、当時の仲間同士で作り上げたアイデアとしては上出来なものであったと思うし、楽しかった。

 このアイデアに足りないものは床半力からの作用を打ち消すことが入っていない、振り子の運動を続ける力源にはなるかもしれないが、ロールどころか横転してしまいそうである。

 その後、世界のHONDAがP型2足歩行を発表したのは、私が理学療法士になった年あたりであったように思うが、すでに20年以上は経っている。しかし、サイボーグが活躍している様は未だに見られていない。それどころか、切断義足や義手の筋電位を利用した操作は増えてきているが、ロボット義手も未だにない、車椅子に装着できるロボットアームも販売があるが100万だったし、大きく重そうであった。

 日々、思考の中で漂っている毎日である。

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