作業療法士になる君へ
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楽しく,感動的なことも,
つらく,苦々しい思い出もあったでしょう.
新しいスタートに不安と期待を抱えている君へ.
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専門教育と臨床実習を経て,手に入れた卒業証書も,
国家試験の合格書も,新しいユニホームも,
君が作業療法士になるための手段の一つです.
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意外でしょうが,完璧な作業療法士はいません.
作業療法士とは何かを,すべて知っている人もいません.
日々,作業療法を実践する中で成りつつあるものです.
役所や営業職,外食業は異動のある総合職ですが,
医療,福祉業界などで作業療法士が働く場合は,
専門職としての役割を期待されていることが多いです.
オールラウンドプレイヤーではなく,
ある特定の領域において特化した能力を求められます.
当たり前だけど,人よりできないこともあります.
それは知識,技術の課題かもしれませんし,
時間や制度による制約の影響もあると思います.
全対象者のすべての生活行為に関わることはできません.
だからこそ,できないことを他人に説明する技術が必要です.
何でもできると思いたいでしょうし,それは尊重したいです.
でもそうなると,すべて独りでしなくてはいけません.
成果は十分でなく,効率が悪いことは想像できるでしょう.
組織やチームの存在意義を知ることができれば,
自分の存在意義を見つけることも可能です.
環境によっても,経験によっても変わりますが,
なりたい自分をいつもイメージしてください.
そのプロセスにこそ,価値があります.
立派であるかよりも,あこがれた人の意見よりも,
自分で決める.
決めたという事実が,強い意志に育ちます.
いまの知識と技術では力が足りないと感じ,
どうにかしようと,もがき苦しみ,
目標に少しでも近づけた時に,見えてきます.
自分がどんな仕事をしたいと思っているのか,
明確にわかる時がやってきます.
君だけの作業療法士に成る幕開けです.
君が思う君へ近づく道の始まりを心から祝福します.
作業療法士は何ができるのか,共に模索しましょう.
いつか何かの形で協業できる日を楽しみにしています.
作業療法学科 上江洲 聖
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