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コロナ禍における学内実習

みなさんこんにちは。

当学院の作業療法学科では、各学年に実習が設けられています。
それは、早い段階から、”現場から学ぶ機会を作る”ことにあります。
「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、たくさんの講義でさまざまな知識を得られても、それを実践する現場を体験するとでは学びの量は格段に異なります。
しかしながら、現在はCOVID感染症の影響で、現場実習が叶わない場合もあります。
そんな中でも、より現場の学びに近い環境を作るべく、学内実習で取り組んでいる一つをご紹介します。

現在、作業療法学科で取り組んでいる学内実習課題には
・関連施設の利用者様のお時間をいただき、立案した治療プログラムを実践する
・オンラインで作業療法士の先生と繋がり、患者様の情報を提供いただき、情報をまとめる
・病院や施設で用いられ易い作業活動を学内で実施し、分析する
・作業療法士協会の実習教材を活用したケーススタディ
・治療の実技練習
などがあります。

今回は、さらに新たな課題として、後輩育成に繋がる「学修ノートの添削」に挑戦してもらいまいました。
普段は、学生たちが添削をもらう側ですが、いつもと異なる視点で、戸惑いが多くあったようです。

□記載する箇所が適当か?
□事実と考察の違いは?
□専門用語は使用されているか?
□不足している情報はないか?
□うまく書けているところはないか?
なども理解し、総括的に添削をする必要があるため、実はとても時間のかかる作業です。
相手に自分が添削した内容を伝えるためにも、添削者の表現スキルも必要であり、また添削内容が多すぎると、学修者にとっては負荷になってしまう可能性もあります。

「学修ノートの添削」は予想していたものよりも遥かに多くのスキルが必要なものです。
3年生の学内実習課題として、2年生の学習ノートの添削を実施しました。
初めてのことにはもちろん説明も必要であり、普段のわたしたち教員の添削時の視点や添削ポイントを一つ一つ解説し、まずは一緒に添削の練習を行いました。これも段階づけの一つです。

添削お手本をみせ、いざ2年生の学習ノートの添削に取り掛かりました。
この日の3年生のデイリーノート(実習内容を詳細に書く報告書)を見ると、約2時間ほどかかったという学生が多かったです。慣れないことには時間もかかり、新たな視点に自分自身の能力がフル活用されます。

学生らの自律を促すためには、学生自身が「能動的学修者(自ら能動的に学ぶ)」となることが必要です。
そのために自己理解と同等に他者理解も必要になります。
相手がどんな視点で、どんな考えを持っているのか?それはどう活かされていくものなのか?
他にも広がる視野を提供することで、その人の成長を促すことができるものはないか?
時には、アドバイスをする側になることで、学修の相乗効果が期待できます。

コロナ禍における学内実習では、臨床現場で学ぶことに繋がりを持たせられるよう、また学内だからこそできる講義では網羅できなかった臨床スキルなど、さまざまな工夫した課題に取り組んでいます。

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